Secondary School attached to the Faculty of Education, the University of Tokyo

特色ある教育

2-2-2制の教育

2年ごとに、基礎期・充実期・発展期を設定。本校の特色である総合学習・課題別学習・卒業研究と、宿泊研修を通して、豊かな人間性を育みます。

2-2-2制 一覧表

【基礎期】
・総合学習入門 1(1年生)

「生きる力」の源である「5つの力」の基礎を確立する足掛かりとなるプログラムです。前期は宿泊行事と関連したフィールドワークや発表の方法を学び、後期は東京大学と連携したフィールドワークや、国際理解のプログラムなどに取り組みます。

・総合学習入門 2(2年生)

「5つの力」の更なるレベルアップを図るため、前期は「半径2km研究」を行います。学校から半径2km以内の範囲でのフィールドワーク。自らテーマを見つけ、調査・分析の上、論文にまとめ、銀杏祭(文化祭)で発表を行います。後期は、「表現の力」を伸ばすことを目指し、外部講師を招いて様々な身体表現を学びます。

2025年度 狂言・和太鼓・ダンス・演劇

【充実期】
・課題別学習(3・4年生)

教員が設定したテーマの中から、興味・関心のある講座を選択。毎週火曜日の5・6時間目が「課題別学習」の時間となっており、3・4年生合同のゼミのような形で、年間を通して多角的に学びを深めていきます。各講座、約20名程度の少人数で授業が行われており、校外学習や宿泊研修を行う講座もあります。

課題別学習は「自然・環境」「人間・社会」「科学・産業」「創作・表現」の4領域から成り、それぞれの領域の中に複数講座が設けられています。教員にとっても、自分の教科の範囲を越えて自由に講座を設定することができ、やりがいのある授業となっています。

* 2025年度 課題別学習 講座

音楽実技演習 2025, 立体造形入門, 韓ドラ×東大教育学部 ~ジェンダーの視点からドラマのあり方を考える~, 新書を読む, 物語の研究, こちら側とあちら側, World Sports Season 2, 言葉と音声の科学, 生産技術入門, 和紙から考える未来の出版デザイン, 数学の教科書を丁寧に読む, Scratch×アントレプレナーシップ

【発展期】
・卒業研究(5・6年生)

生徒一人ひとりが、興味・関心を持っているテーマを設定。これまでに培ってきた主体的な学習姿勢を存分に活用し、教員の助言を得ながら、約1年半にわたって考察・調査・研究を実施。その成果を16,000字の卒業論文にまとめ、本校での6カ年の学習活動の総仕上げとします。この研究を通して、将来の進路選択や、より高度な学習への手がかりを得たり、知的好奇心を育むことを目指します。

本校の卒業研究の特徴は、教員1人につき、生徒3人を原則とした、少人数での研究指導体制です。月に一回、5年生と6年生の「卒業研究」の時間がそれぞれ設定されており、生徒は研究の進捗を報告したり、教員や他のメンバーと相談しながら、研究の次のステップを決めていきます。

卒業研究の中で、仮説・検証・考察の一連の研究プロセスを経験し、探究的市民としての思考の礎を育んでいます。本校では、この卒業研究が必修単位になっており、卒業に向けた大きなチャレンジとなりますが、それを乗り越えて卒業論文を仕上げることで、大きな達成感と成長の実感を得ることができます。

卒業研究の流れ

卒業研究に向けた準備は4年生から始まります。4年生の1〜2月に自分の立てた研究計画を持って教員に相談に回り、研究計画が了承されるとハンコをもらえます。全部で3名の異なる教員からハンコをもらわなければならず、生徒は苦労しながらも、様々な教員と話をする中で研究の構想や計画を練り上げていきます。また、教員との面談予約や交渉などを行うことで、卒業研究に向けた行動力も養っています。本校では、こうした一連の学習活動を「ハンコ回り」と呼んでいます。

その研究計画をに基づいて、5年時から生徒は14のグループに分けられ、担当教員の指導のもと、1:3の少人数で研究を進めていきます。5年生の1月に中間発表会が行われ、6年生の7月中旬が卒業研究の提出日となっています。また、6年生は銀杏祭で卒業研究の展示と発表を行います。

〈2025年度 卒業研究タイトル例〉
・オーストラリアと日本のスクールカウンセラーの在り方の違いについて
・K-POP女性グループの表現から読み解く「理想の女性像」の変遷とフェミニズム的背景
・ウクライナ侵攻における演説の影響は何か
・なぜ、滋賀県は4パーミル・イニシアチブの取り組みに参加していないのか
・子供の成長に合わせられる快適な狭小住宅を考える
・多摩川河川敷に自生する植物を用いた冬季の食糧確保
・フットサルの戦術をサッカーのサイド攻撃に活用する
・目立つうちわの作り方 – ファンが羨むうちわとは
・三鷹市大沢の魅力ある条件を「地域愛」に繋げるには
・ビートルズの音楽変遷について考える
・戦争はどのように終わるのか – ロシア・ウクライナ戦争の終わり方を予測する
・性別関係なく持ちやすいと思えるぬいぐるみペンケースのデザインとは
・カプセルトイを読み解く – 茨城県の魅力を発信する
・ジャガイモのウスバタケに対する増殖抑制効果と実用化の検討
・公共交通による地方活性化 – コンパクトシティの観点から考える
・適切・快適な音環境とは何か – BGMや環境音への意識を促す音楽制作と空間作り
・現代において観光に求められるモノとは – ディズニー・リゾートの紙皿化から見る
・自治会へようこそ! – 自治会活動に積極的に参加する中高生を増やすには
・ヒットボーカロイド曲の傾向と実践 – 人が求める「歌いにくさ」から考える
・ドワーフグラミーの水吐き行動と採餌行動戦略について
・アーティスティックスイミングの新しいルールを提案する – 芸術性と客観性の両立
・学校グッズのデザイン – 東大附属の学校グッズを製作する
・高校野球はなぜ人を感動させるのか
・トビハゼの眼の陸上適応
・乳幼児が親しみやすいと感じるオリジナルキャラクターを作る – アンパンマンから考える
・私たちの安全のために車に求められるのはなにか – スバルクロストレックから考える
・現代における物々交換の価値とは?
・「かおり」を活用した地域の取り組みに対するフィールド検証と意義の検討
・韓国映画が日本で上映されるときポスターはどのように変化する傾向があるか
・障がいや多様性との向かい方 – 見えない<枠>の存在を知る
・現代における算盤の価値・学ぶ意義
・食品表示の課題と提案 – 商品の世界観と表示のバランス
・時代による大河ドラマの移り変わり

・宿泊研修

東大附属の宿泊研修は「日本のルーツを探る」という共通のテーマを掲げ、近世から近現代にかけての日本を振り返りながら、1・3・5年時に宿泊研修に取り組んでいます。(年度により、内容に多少の変更があります。)

1年生『自然歩道・旧街道を歩く』

東附生の仲間同士、励まし、助け合いながら長距離を歩き切る「共同」と、フィールドワークを通して学んでいく「協働」を軸とした研修。5月初旬の学年遠足、10月の銀杏祭での展示と連携させながら、歩くこと・調べること・発表することを組み込んだ行事です。

[1日目] 籠原~鳥居峠~奈良井宿
[2日目] 馬籠宿~馬籠峠~妻籠宿 南木曾町博物館
[3日目] 蚕糸博物館 諏訪大社

2025年度 1年生 宿泊研修

3年生『里山・里海体験』

日本の都市部で失われつつある、生産と消費が隣り合った暮らし。3年生では、豊かな自然の中で昔ながらの産業が営まれている福井県・若狭湾を訪ね、民宿に分泊しながら、宿のお父さん・お母さんたちや、地域の方々に手ほどきを受けて、農林水産業の仕事を体験します。

[1日目] 漁船クルージング体験・シーカヤック体験
[2日目] 農業・林業・漁業・伝統食など6グループに分かれ、一日作業体験を行う
[3日目] 鯛釣り・さばき体験

2025年度 3年生 宿泊研修

5年生『長崎宿泊研修』

長崎はさまざまな「原点」が凝縮された場所です。久しくは中国・朝鮮半島、江戸期には出島を通じた欧州との交易、海外文化の入口で生じた多様性とキリスト教普及における宗教と民衆との関係、原爆投下の惨状と平和への願い、そして現在の高校生を中心とした平和普及活動との交流、造船・炭鉱といった日本の近代産業を発展させた足跡、雲仙普賢岳噴火後の自然災害と防災に対する取り組みと意識。このような観点から、3つのコースに分かれ、生徒たちが自らの探究課題を設定し、実際に見て・体験する中で研修を行っていきます。

[1日日] 学年全体での研修:長崎の原爆の歴史について学ぶ
[2・3日目] コース別研修
・「現代と平和」- 戦争をどう語り継ぐのか、高校生が平和について発信できること
・「自然との共生」- 火山列島日本で自然と共生するために備えるべきこと、工夫できること
・「日本の近代化と異文化受容」- 近代化に石炭産業・造船業が果たした役割、民衆とキリスト教
[4日目] 班別学習:海外文化の窓口としての長崎に触れる

2025年度 5年生 宿泊研修