Secondary School attached to the Faculty of Education, the University of Tokyo

【行事レポート】1年総合学習入門

7月12日の午後、中学1年生のあるクラスは総合学習入門の授業の一環で東京ジャーミィに行きました。

ストールの巻き方や礼拝の方法、建築に至るまでの歴史について学んだあと、実際にモスク内を見学しました。さらに今回はガイドさんのご厚意で様々な国の方々へインタビューできることに。「どこの国から来ましたか?」や「どんな仕事をされていますか?」「今まで何回礼拝したことがありますか?」等、積極的に質問する様子がみられました。また、授業終了後も自主的に残ってインタビューを続けたり、写真を撮ったりする等、熱心に学ぶ生徒の姿がとても印象的でした。

以下、実際に体験した生徒の体験レポートです。

 正直、今まで私はあまり宗教などに関して良いイメージを持っていなかったのですが、それは無知によるものだと今回の学習を通して痛感しました。
 まず、イスラム教徒の方はすごくフレンドリー。ガイドしてくださった下山さんが私達の質問のために、その場で近くにいた教徒の方に「ブラザー(兄弟)」と声をかけて質問のお願いをしてくださり、相手の方も多くの方が快く引き受けてくれました。急に「兄弟」と声をかけられたら皆さん多くの方は驚くと思います。でもイスラム教徒の皆さんはなんにも動じないんです。信頼関係が高いんだと感じましたし、さらに下山さんはどの教徒の方に対しても国籍・出身・年齢問わずフラットに話しており、このような姿勢は見習いたいと思いました。
 また、これはイスラム教に限らないのですが、何十、何百年前からある教えが今でも守り継がれていることはすごいと感じました。例えば、「豚肉を食べてはいけない」。今の日本ではなかなか難しいこともあるかもしれませんが、しっかり教えには理由があるんです。イスラム教では草食の牛や羊に比べ、雑食の豚は不浄なものとされています。また同じ哺乳類の病気は移りやすいと豚を食べるのは危険とされています。昔(江戸時代あたり)の日本では四足の動物は全て食べてはいけないという決まりがあったそうです。でも今の日本にはありません。無くなったのです。「豚肉を食べてはいけない」というだけで見ると様々な意見があると思いますが、昔からある教えが今でも生きている。守り続けられている。なかなか凄いことだと思います。
 イスラム教には他にも様々な素晴らしい点がありました。他の宗教でもそうだと思います。しかしながら世界では宗教が一つの原因となって戦争が起きたり、差別されたりということがいまだにあります。それは決して良いことではありません。ではなぜ起きるのかそれは様々な原因があると思いますが、その一つに無知によるものがあると今回思いました。でもそれは一人ひとりの人たちが他者や他者が大切にしているもののことを知れば解決出来ると思います。一人でも多くの方が「知る」ということをして戦争や差別がなくなることを願います。
(Iさん・中学1年生)

写真は参加した生徒が撮影したものです。